胆嚢摘出手術入院日記その弐…意識朦朧の手術当日編

日記・エッセイ・コラム

(3月9日:手術当日)
寝不足のまま朝を迎えますと、看護師さんがやって来まして「浣腸しま?す。」とトイレへ移動。「最低5分は我慢して下さいね。」と言われましたが、3分でギブアップ。まだまだ出るもんです。
病室に戻ると、いわさんが何か言ってます。「看護婦さん、湿布薬もっとくれねえかな?痛くて眠れやしねえよ。」(いいや、あなたは十分眠っています。僕が保証します)

執刀医がやって来まして「昨夜はよく眠れましたか?」「…いえ、あんまり。」「まあ手術前日というのはそんなもんでしょうね。」(違?う!と声を大にして言いたい)

売店で手術後に使う腹帯を購入。点滴を開始します。「いよいよですね。」しまさんが声をかけてくれます。
昼過ぎにヨメがやってきました。手術開始は13時30分です。
術衣に着替えて、下半身はT字帯(要は紙製の越中褌)に履き替えます。手術30分前に呼ばれて、準備室に移動。(何か足りないような気がする
「鼻から胃にチューブを通します。」みんながいやがる行程です。「はい!ぐっと飲み込んで!」多少違和感がありますが、すんなり入っていきます。「あら?ここで何人も泣かせたけどお上手ですね。」「いや?下手な医者がやる胃カメラより細いしずっと楽ですよ。」「なるほど、それは言えてるかも。」
移動用のストレッチャーに乗り込んで、リラックスさせるための薬(看護師談)を肩に注射。痛いです。寝不足なのもあって本当にリラックスして眠りこんでしまいました。看護師さんに起こされまして「では移動します。」ストレッチャーに乗せられたまま手術室に移動します。嘉門達夫「あったら怖いシリーズ」の「しゅじゅつしつ、しゅじゅつしつ…と10回言えないと手術をしてくれないお医者さん」のフレーズがループバックします。(それにしても何だろう?大切な何かを忘れているような…

ここから記憶曖昧です。
術後麻酔から覚めた時のための痛み止め薬を注入するためのチューブを背中から差し込みます。何かちくっとしたような気が…「麻酔注入します。」覚めた時に変なうわ言を言わないように心の中で家族の名前を連呼「では眠くなりますよ。」の言葉を最後まで聞き終わらないうちに…

「eddieさ?ん(仮名40歳男性)わかりますか?起きて下さ?い。」「は?終ったの?」
ナースセンター隣の回復室に移動して、石が7個あったとか、胆嚢が癒着していて少し時間がかかったとか、両親と会社に連絡しろとかヨメと話したみたいなのですが、酔っぱらって目覚めた時のように記憶がとびとびです。またしばらく眠ったみたい…

「いだ?い!」再び目覚めました。激痛です。はっきりお腹を4カ所切ったということが分かります。僕の身体には、酸素マスク、点滴、背中の痛み止めチューブ、足には血栓防止のマッサージ器が取り付けられています。ナースコールで看護師さんを呼びます。「痛かったら遠慮なく言って下さいね。」「痛いです。」背中のチューブに付けられたボタンを押すと、痛み止めの薬が直接注入されます。背中がひんやりして、痛みが治まって来ます。またうとうとします。
あとは「痛いから薬」「背中が痛いから向き変えて」などとわがまま放題に繰り返しながら、手術当日の夜は更けていくのでした。心配した痰の方も、そおっと少しずつ吐き出すと上手く切れました。禁煙しなくても良かったかも?などと不謹慎なことを考えつつ、ともかく人生初の手術は無事完了したのでした。

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