一握のLANケーブル
えでぃよもだ
えひめなる教師のいず君
同業なる設置屋諸君
この集を皆に捧ぐ。予はすでに予のすべてを諸君の前に示しつくしたるものの如し。従って諸君はここに歌はれたる歌の一一につき最も多く知るの人なるを信ずればなり。
また一本をとりて妻よもままに手向く。この集の稿本を書き始めしたるは汝の機嫌よきときなりき。この集のための勤めは汝のへそくりとなりたり。而してこの集の完成稿を予がサイトにアップしたるは汝のあきれはてて熟睡の夜なりき。
著者
平成十五年春以降の作一千余首中より五百五十一首を抜きてこの集に収む。集中五章、感興の来由するところ相ちかきをたづねてもまずわからぬ。「秋風のこころよさに」は平成十七年の秋なのかもしれぬ。
我を愛する歌
大海(ネット)の小部屋の箱の白画面
われ泣(な)きぬれて
小箱(モデム)とたはむる
頬(ほ)につたふ
なみだのごはず
一握(いちあく)のケーブルを示(しめ)しし人を忘れず
PC(パソコン)にむかひて一人(ひとり)
約二時間(やくにじかん)
泣きなむとすと客宅を出(い)でにき
いたく錆(さ)びしNIC(にっく)出(い)でぬ
背面の
穴を指もて掘(ほ)りあてしに
ひと夜(よ)さに汗水たらして築(きづ)きたる
この接続は
いつまで保(も)つぞも
壁際の床に腹這(はらば)ひ
接続の
いたみを遠くおもひ出(い)づる日
ゴミ箱の裾(すそ)によこたはるWin(ういん)モデムに
あたり見まはし
物(もの)言(い)ひてみる
(つづく…)
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